暴徒-現代と秩父事件 19766月 同志社大学アッセンブリ出版会

序 井上幸治/講演=井出孫六・森山軍治郎・色川大吉

 

目次
序にかえて 井上幸治
はしがき 野呂健一
歴史と人間-近代化の問題 井出孫六
1犬も歩けば(講演によせて/直木賞のこと/職業病)
2.流れの中で(ユー・シャル・ダイ/昭和20815日/玉音放送/14歳の転向/凌辱感-小説家への原点/ひとつの時代が終わったと思ったが…)
3再び疑問(維新の外交と現在の外交/旧制中学在学中/父親が語った秩父騒動/なぜ山奥に自由民権運動が…/実際に山を越えてみた)
4.近代の把え直し(当時のリアルな距離/中央志向性と地図/多様性の先細り/電信柱をぶちくじく/権力と電信網/国の非行と峠の廃道)
地下水の流れを阻むもの-秩父事件の現代的意味 森山軍治郎
1近代日本と北海道(「軍治郎」という名前/わが故郷・閉山の町/わが父母・流民の歴史/開拓農民の実態/幻のフロンティア・スピリット/抵抗の青年開拓者)
2貧民の子供史(貧民のたくましさ/美意識の誕生/知識人文化との出合い)
3秩父事件とフランス革命(困民党とサン・キュロット/民衆道徳と抵抗思想/平等思想の深化)
4モダニズムと民衆(パリの田舎者/民衆の欧米憧憬/フランス民衆の実像/民衆の「個」と「共同体」)
5.共同体の自己変革(秩父困民党と共同体)

民衆思想史とは何か-共同体とナショナリズム 色川大吉
1現代と秩父事件(農民一揆の世界と秩父事件/秩父事件の提起した問題/底辺での思想の闘い/風土と共同体と…/民衆の基本的意識)
2通俗道徳の二つの方向性(解放への回路と内縛の論理)
3.民衆ナショナリズムと国権(「楢山節考」-幻想と怨念の果てに/「苦海浄土」-絶対への構築/「大和信仰」もうひとつのナショナリズム)
4日本における「個」の成立(てき屋・その棄民の系譜/「個」ゆえに/共同体からの個)
5.現代の中の伝統(三里塚から/今一度の近代)
あとがき 木元道郎

参考:

秩父事件ホームページ  秩父事件研究顕彰協議会オフィシャルサイト
http://www.chichibujiken.org/
 
秩父観光協会ホームページ 秩父事件
http://www.chichibuji.gr.jp/chichibujiken/